償却資産の申告とは
概要
年末が近くなった頃、役所から償却資産申告書という書類が送付されてきます。これは、償却資産税を申告するための書類ですが、事業経験がなければ知らない方が多いでしょう。税金の申告や納付はいい加減なことはできないので、正確に理解しておく必要があります。
この記事では、償却資産とは何か、償却資産の申告の流れについて解説しますので、参考にしてみてください。
目次
1、償却資産とは
簡単にいうと、償却資産とは、土地および家屋以外の事業に活用できる資産で一定のものを除いた資産のことです。償却資産の減価償却は、法人税法または所得税法の規定により損金または必要経費として会計処理できます。
償却資産は固定資産税の課税対象になるため、毎年1月1日の時点で所有している償却資産について申告することが法律で義務付けられています。
2、償却資産の対象となるもの
償却資産の対象となるものは、以下の表のように区分されます。
構築物
路面舗装、門、塀、看板(広告塔等)、内装・内部造作等
機械及び装置
各種製造設備等の機械及び装置、機械式駐車設備(ターンテーブルを含む)等
船舶
ボート、釣船、漁船、遊覧船等
航空機
飛行機、ヘリコプター、グライダー等
車両及び運搬具
大型特殊自動車(自動車税、軽自動車税の対象となる車両は対象になりません)
工具・器具及び備品
パソコン、看板(ネオンサイン)、理美容機器等
※ 以下のものも償却資産の対象です。
・現在使っていない機材
・耐用年数が1年未満または10万円未満の価額で取得した償却資産を経費として処理したもの
・20万円未満の価額で取得した償却資産について、税務会計上3年均等の一括償却を選択したもの
3、償却資産の申告の流れ
償却資産の申告は、以下の流れで進めていきます。
(1)申告書の作成
申告のため作成する書類は、以下のとおりです。
・償却資産申告書
・種類別明細書
取得した償却資産について記載するタイプと減少した償却資産について記載するタイプの2種類があるので、必要に応じて作成します。
(2)申告書の提出
1月31日までに資産のある自治体へ償却資産の申告をします。会社の事務所や営業所が複数の自治体にある場合、それぞれの自治体へ申告する必要があります。
償却資産がまったくないというケースや課税標準額150万円に満たないケースは、償却資産税は課税されません。ただし、申告書を提出する義務はあるので注意してください。
(3)償却資産税の納付
申告した年の概ね6月に納税通知書が送付されてくるので、年4回の納期までに償却資産税を納付します。
4、まとめ
今回は、償却資産とは何か、償却資産の申告の流れについて解説しました。償却資産の申告を行う時期は年末調整と重なるため、書類作成などの準備は大変だと思います。創業したばかりだと負担に感じることもあるでしょう。申告書の提出期限に遅れないようにするため、早めに準備に取り掛かかることをおすすめします。