財務・会計面での社長の仕事とは
概要
財務や会計はお金に関することであり、会社を経営していくためには大切なことです。財務や会計をいい加減にしていると、事業が成功することはありません。会社には財務や会計を担当する部門がありますが、財務・会計面で社長の果たす大切な役割があります。
この記事では、財務・会計面での社長の仕事にはどんなことがあるかを解説します。
1、財務面での社長の仕事とは
財務面で社長の仕事としては、以下の3つのことがあります。
(1)資金繰り
資金繰りとは、会社の収入と支出を把握して、過不足がある場合にコントロールすることです。小規模な会社の資金繰りは企業存続の生命線であり、資金繰りがうまくいかないと、会計上は黒字にもかかわらず支払う現金がなくて倒産することもあります。
資金繰りを健全にするためのポイントは、以下の6つのことです。
・売掛金をできるだけ早く回収する
・買掛金をできるだけ遅く支払う
・在庫を過剰に抱えず、仕入れを必要最小限にする
・無駄な人件費を減らし、余計な残業代を発生させない
・借入金を有利な条件で借り換える
・資金不足を金融機関からの借入でカバーする
(2)予算管理による資金ショートの防止
予算管理とは会社の予算をコントロールすることであり、具体的には以下の3つ活動を繰り返すことです。
・売上や必要経費などの予算計画を作成
・予算計画に基づいた企業活動の実績を分析する
・実績の分析結果を元に戦略の変更や軌道修正を行う
これら一連の活動を繰り返すことで、経営者は資金ショートを回避できます。
(3)資金調達
社長の仕事として、資金調達は重要です。資金調達をする場合、資金の調達先と資金調達の理由がポイントになります。資金の調達先は確実にお金を貸してくれるところを選ばなくてはなりませんし、調達先には資金調達の理由を説明する必要があるからです。
2、会計面での社長の仕事とは
会計業務にはいろいろなことがありますが、会計面での社長の仕事は月次決算です。月次決算とは、月末までにその月の営業成績や財務状態をチェックするため毎月行われる決算のことです。月次決算をすることで、経営管理を適正に行うことができます。
社長が月次決算を行なう場合、以下のことがポイントになります。
(1)月次決算を早期にできる体制をつくる
月末決算を早期にできる体制を会社全体で構築します。理想としては5営業日で月末決算を完成できるよう合理化して、業務を改善するといいでしょう。月末決算では管理会計のための資料を作成しますが、おおまかな数値を把握できれば十分です。
(2)月次決算が役立つ仕組みを作る
月次決算の資料を作るだけでは意味はないので、実際に役立てる仕組みを作る必要があります。たとえば、費用と必要経費とのバランスを把握するため、それぞれ発生したらすぐに計上するという仕組みを作ります。こうすることで、タイムリーに収益と必要経費を対比して、バランスを把握することが可能です。
(3)月次業績を管理する資料の整備
経営計画を立てる段階で目標数値などを設定し月次決算の結果と対比するため、月次業績を管理する資料を整備します。また、計画を立てた数値に対して責任を持つ体制を構築します。
(4)月次決算の結果と業績評価を関連付ける
月次決算の結果と業績評価を関連付ける体制を構築して、社員のモチベーションをアップさせます。業績をアップさせるために行いますが、業績評価と関連付けられていなければ社員はやる気を出しません。月次決算の結果と業績評価を関連付ければ、業績向上させる目的に向けて、社員のモチベーションをアップさせることができます。
3、まとめ
会社の社長には、日常的にやるべきことがたくさんあります。例えば、売上を上げること、社員の育成や人事など会社経営にとって重要なことから、些末なことまで数えきれないほどあります。財務・会計面での社長の仕事も重要なことばかりです。創業される予定の方は、この記事を参考に社長の仕事について理解を深めてみてください。