創業後の一年間の流れ(法人)
概要
初めて起業する人は、創業してから1年間の流れはどうなるんだろうと不安を感じているでしょう。1年の流れもわからない状態でスタートするのでは、事業計画を立てることもできません。会社を設立して軌道に乗せるには、1年の流れを把握しておくことは大切なことです。
この記事では、これから創業する方向けに、創業してから1年間の流れについて解説しますので参考にしてみてください。
1、会社を設立する前
会社を設立する前には、以下のようなことをする必要があります。
(1)事業計画書の作成
創業する前には、しっかりとした事業計画書を作成する必要があります。事業計画書がどれだけ具体的で実現可能なものを作れるかで、事業の成功は左右されます。創業融資を受ける際にも必要となるので、しっかりとした事業計画書を作成しましょう。
(2)資金調達
開業するための資金がどのくらい必要かを具体的に算出します。自己資金だけで賄える場合は問題ありませんが、不足する場合は資金調達をする必要があります。不足する資金は融資を受けるのか、出資を受けるのかなど資金調達の方法を決定して、早急に資金を準備します。
(3)従業員の募集
会社を設立してからすぐに業務を開始するため、会社設立前から従業員を募集することをおすすめします。面接などの採用活動には時間がかかるので、開業前に募集しましょう。
(4)見込み客の集客
開業前に見込み客を確保しておくと、良いスタートを切ることができます。できるだけ多くの見込み客を確保しましょう。
(5)創業融資を受けるための準備
自己資金だけでは開業資金が不足する場合は、創業融資を受けることをおすすめします。創業したばかりの会社が融資を受ける場合、日本政策金融公庫の融資か地方自治体の制度融資を利用します。融資を受けるために必要な書類を調べて準備しましょう。
(6)補助金・助成金の申請
開業のための資金が不足する場合、融資以外に補助金や助成金を申請するという方法もあります。各地方自治体は創業助成金の制度を設けていて、一定の条件を満たせば返済する必要がありません。条件を確認して利用できるようであれば、申請されることをおすすめします。
2、会社設立
会社を設立するには、法務局へ設立登記をする必要があります。登記をしないと、会社は社会的実体あるものとして認めてもらえず、会社として活動できないのです。会社の登記をしていなければ、会社名義で銀行口座を開設したり、物件を借りたりすることができません。
会社設立に必要な書類を準備して法務局へ申請すると、1~2週間ほどで設立登記は完了します。
3、会社設立した後
会社設立した後は、開業のための届出をしなくてはなりません。開業後にしなくてはならない届出は、以下の2つに分類されます。
(1)税務関連の届出
①法人設立届出書
②青色申告の承認申請書
③給与支払事務所等の開設届出書
④源泉所得税の納金の特例の承認に関する申請書等
(2)労務関連の届出
①適用事業報告
②就業規則届
③労働保険の保険関係成立届
④時間外労働及び休日労働に関する協定届
⑤労働保険概算保険料申告書
⑥雇用保険の適用事業所設置届
⑦雇用保険の被保険者資格取得届
⑧健康保険・厚生年金保険新規適用届
⑨健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
⑩健康保険被扶養者(異動)届等
4、会社設立してから2週間
会社設立してから2週間が経過したら、以下のことをする必要があります。
(1)銀行口座の開設
会社名義の銀行口座を開設するには登記簿謄本が必要になるため、会社の登記が完了する2週間後に申し込みます。
(2)創業融資の申込
創業融資の申込をするには会社の登記簿謄本が必要になるため、会社の登記が完了する2週間後に申し込みます。面談を受けて実際に融資を受けるまでには、2ヶ月ほどかかります。
(3)経理関係の整備
事業をスタートさせるため会計ソフトを導入して、記帳できるようにしましょう。決算の時にあわてないように、スタート時から経理関連を整備します。
(4)店舗やオフィスの整備
すぐに営業をスタートできるように、オフィスや店舗の賃貸や備品の購入をして営業できる体制を整えましょう。
(5)創業してから1年
年度の終わり2ヶ月前には、決算をして確定申告を行います。決算をすることで、創業1年目にどれだけの利益が出たかがわかります。
5、まとめ
創業後の1年間の流れがイメージできたかと思います。創業して1年間はやることも多く、あっという間に過ぎてしまう場合がほとんどでしょう。事業を成功させるためには、1年間の流れを知ることは大切なことです。この記事を参考にして、事業計画の策定などにぜひお役立てでください。