VC・私募債・親族及び友人による資金調達
創業時の資金調達方法には金融機関からの融資の他にもさまざまなものがあります。
目次
1、VC(ベンチャーキャピタル)による調達
VCとは今後高い成長が見込まれる未上場企業に出資して、上場時のキャピタルゲインを期待する投資会社や投資ファンドです。
投資対象となるのは将来的に上場が見込まれるビジネスモデルや技術力を持つ有望な成長企業です。企業側は出資の見返りに社債や株式を提供します。出資比率や出資方法は対象企業によりケースバイケースです。
VCは純粋に経済的利益を追求する投資家です。株の買い戻し条項などが付与されることもあり、出資受け入れと引き換えに経営の自由度が失われるリスクや、既存の出資者の権利が損なわれることもあるため、契約条項については十分な確認が必要です。
2、エンジェル投資家による調達
VCは投資会社やファンドからの出資ですが、エンジェルと呼ばれる個人投資家からの出資もあります。
エンジェルとは、創業間もない企業に対して資金を提供する個人投資家のことです。成功した起業家や投資家などの富裕層が中心ですが、ビジョンやビジネスモデルなどに魅力のある企業に対して個人資産から投資を行なっています。企業側では出資を受け入れる代わりに社債や株式を提供しています。
金融機関からの融資やVCに比べると金額は少なめなことが多いですが、エンジェル投資では必要な資金だけでなく、先輩起業家としてのアドバイスや、人脈を生かしたビジネス面でのバックアップなども期待できる点も魅力です。
3、私募債による調達
私募債とは50人未満の投資家に対して企業が発行する債券のことです。金額合計は1億円以下です。
50人以上の投資家に対して発行する公募の債券に比べると、監査機関への申請や証券会社の利用などが不要なため、債券発行のコストを抑えることができます。
発行した私募債を購入するのは大半が親族や知人・取引先など関係者です。直接募集で人数も50人未満のため償還期限や金利などの交渉も行いやすくなります。
社債の期日は2年から7年と期限が決まっています。通常は毎月の支払いは利息のみですが、支払期日には元本を一括で返済しなければなりません。
まとまった資金が準備できるか、償還期限までに利益を蓄積できる場合は有効ですが、資金の準備が困難な場合は信用力が低下する恐れがあります。
4、親族及び友人からの借入
親族や知人・友人からの借入は、金融機関からの借入に比べると、金利や返済方法などの条件面では緩い条件で借り入れを行うことができます。一般的には経営に口を出すことも少なく経営権を保持することもできます。
一方、身近な人だからといって契約書を作成しなかったり約束を守らなかったりするとトラブルになることが多くなります。金銭消費貸借契約書を作成し、借入金額や利息、返済方法は明記しておきましょう。
5、まとめ
このように資金調達の方法にはさまざまです。
経営の自由度やなどを十分考慮して進めてゆきましょう。