源泉税の納付方法(原則と特例)

源泉税の納付方法(原則と特例)

源泉税の納付方法(原則と特例)

 

概要

会社は従業員に給料を支払う場合、所得税及び復興特別所得税を差し引かなければなりません。この差し引く税金のことを源泉税と言い、国に納付する義務があります。これから創業される方は源泉税を納付する立場になるわけですから、納付方法について理解しておく必要があります。

この記事では、源泉税の納付方法の原則と特例について解説しますので、参考にしてみてください。

 

目次

1、源泉税の納付方法の原則

(1)納付時期

(2)納付方法

2、源泉税の納付には特例がある

3、まとめ

 

 

1、源泉税の納付方法の原則

ここでは、源泉税の納付方法の原則について解説します。

(1)納付時期

源泉税は、給料を支払った翌月10日までに納付するのが原則です。例えば、1月分の給料を1月20日に支払った場合、1月分の給料から徴収した源泉税は2月10日までに納付します。

(2)納付方法

源泉税の納付は、以下の手順で行われます。

①給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書の作成

まずは給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書を作成します。この書類は、税務署から送付されてこないので、窓口でもらわなくてはなりません。作成した給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書は納付書の代わりになります。

②金融機関や税務署で納付する

給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書を納付書として、指定の金融機関や税務署へ源泉税を納付します。

なおe-Taxという国税電子申告・納税システムを利用すると、手続きを簡略化することが可能です。

 

2、源泉税の納付には特例がある

ここまで源泉税の納付方法の原則について解説しましたが、一定の条件を満たせば源泉税の納期の特例という制度を利用できます。

(1)源泉税の納期の特例とは

この制度を利用すると毎月源泉税を納付する必要はなく、6ヶ月分をまとめて年2回納付することができます。具体的には、1月~6月までの源泉税は7月10日までに、7月~12月までの源泉税は翌年1月20日までに納付すればいいのです。毎月の給料に対する源泉税だけでなく、賞与に対する源泉税も対象となります。

この制度は給与を支払う従業員が常時9人以下の小規模企業を対象としており、源泉税の納期の特例の承認に関する申請書を提出する必要があります。なお、従業員には正社員だけでなくパートやアルバイトも含まれるので注意してください、

(2)特例の対象にならない場合がある

特例の承認を受けたとしても、すべての源泉税が対象となるわけではなく、対象とならない源泉税もあります。例えば、原稿料などの源泉税は、原則どおり支払った翌月の10日に納付するので注意してください。

 

3、まとめ

源泉税を毎月徴収して翌月10日に納付するのは手間のかかることですが、特例を利用すれば負担を軽減できます。源泉税の納付は法律で定められたことであり、期限までに納付しないと不納付加算税を課税されるので注意してください。創業1年目は何かと忙しいと思いますが、税金の納付期限は厳守しましょう。