目次
6. お借入の状況(法人の場合、代表者の方のお借入れ(事業資金を除きます。))
事業計画書とは
事業計画書とは、なぜこの事業をやりたいのか、何をどのような人にどうやって売るのか、売るためにはいくらの資金が必要なのか等をまとめた事業の計画書です。
創業融資の申し込みの際には必要書類となっていない場合がありますが、創業計画書を補填するために必ず作成しましょう。
とはいえ、初めての作業で何を考えればいいのかわからないという方もいらっしゃると思いますので、まずは下記の点を考えてみましょう。
■なぜこのお店をやりたいのか
■お店をオープンするにあたり、自身の経歴とどのような関わり合いがあるのか
■どのような顧客をターゲットにするのか
■何を提供するのか
■一人当たりいくらで提供するのか
■どこで提供するのか
■お店はどのくらいの席数が必要なのか
■席数に応じて従業員はどのくらい必要なのか
■お店をオープンさせるために、いくらぐらい必要なのか
■自己資金はいくらあるのか
■どのようにしてお店を知ってもらうのか
■一か月あたりの固定費はいくらぐらいにするのか
■営業時間はいつにするのか
上記の内容を、詳細に書けば事業計画書は出来上がります。
創業計画書と事業計画書の関係
事業計画書は、創業計画書を補填するものです。
イメージとしては、下記に日本政策金融公庫の創業計画書ひな型のうち、①~⑦をすべてまとめたものが事業計画書です。
指定されたひな形では情報量が少なすぎて、このままでは融資がおりるのにも困難です。
そのため、事業計画書で情報量を補填する必要があるのです。
1.創業動機
創業動機は、最初にチェックされる項目であり、かつ創業者の熱意がここでは見られます。
創業計画書のひな型程度の行数では足りないので、別紙に記載するようにしましょう。
チェックされるポイントは、主に次の点です。この点を意識しながら、本当にこの事業がやりたいという熱意を込めて書きましょう。
■創業はおもいつきではなく、以前から考えていたことですか?
■創業することによって実現したいことは明確になっていますか?
■経営者になるためのスキルは十分身についていますか?
■創業することに対して家族や周囲の理解はありますか?
■創業の準備が整っていないのに、良い物件がみつかったという理由だけで物件の契約をしていませんか?
※「創業の手引+」(日本政策金融公庫)より引用
2.経営者の略歴等
ここでは、創業者の事業経験をアピールする箇所です。
大手飲食店法人の社員だった方が、自己資金もほとんどない状態で希望融資額通りに借入できたといった例もあるぐらい、経験は重要です。
勤務経験は3年以上が望ましいですが、オープンするお店に関わる経験であれば何でも書きましょう。
以下、注意ポイントです。
■勤務経験は十分ですか?
■なぜ経験が十分だと思いますか?
■勤務時代に任されていたこと(担当業務、役職等)および実績をきちんと答えられますか?
■短い年数で勤務先を何回か変えている場合、その理由を説明できますか?
※「創業の手引+」(日本政策金融公庫)より引用
3.取扱商品・サービス
ここでは、実際に提供するサービスの詳細を記載します。
大きく分けて、3つの区分に分けて考えましょう。
■提供するもの
どういう料理なのか、客単価はいくらなのか、どういうお酒なのか等、具体的に提供するものを記載します。
■提供の仕方
アラカルトなのか、コースのみなのか、ランチ営業はするのか等、提供の仕方を記載します。
■セールスポイント
提供するものは何が売りなのか、なぜ売れるのか、どのようにして売るつもりなのか等、提供するものの価値が何かを書き、どのようにしたらその価値を知ってもらえるかを記載します。
したがって、ここでのポイントは以下の通りです。
■商品・サービスのセールスポイントは何ですか?
■同商圏内の競合調査は行いましたか?
■接客面のセールスポイントは何ですか?
■それ以外のセールスポイントはありますか?
■他店ではなく、あなたのお店を選んでもらえる理由を説明できますか?
■お店のコンセプトに合った商品・サービスを提供できますか?
※「創業の手引+」(日本政策金融公庫)より引用
4.取引先・取引関係等
ここでは、実際にサービスを提供する顧客はどのような人か、また仕入先はどのような業者かを記載します。
下記の項目はしっかりと記載しましょう。
■顧客ターゲット層を明確にしていますか?
■出店予定地近くの住民の特性やライフスタイルを把握していますか?
■出店予定地は新規客(顧客ターゲット層)を獲得しやすい場所にありますか?
■予定仕入先は信頼できる業者ですか?
■必要な従業員は確保できますか?
※「創業の手引+」(日本政策金融公庫)より引用
※「創業の手引+」(日本政策金融公庫)より引用
5.従業員
ここでは、適正な従業員数なのか、をチェックされます。
従業員数は、お店のコンセプトや席数、及び損益計算書と矛盾しない数を記載しましょう。
6.お借入の状況(法人の場合、代表者の方のお借入れ(事業資金を除きます。))
他の金融機関からの借入がある場合は記載します。
無いとうそをついても必ずバレますので、うそは絶対にやめましょう。
7.必要な資金と調達方法
①必要な資金
必要な資金とは、お店をオープンするまでにかかるコストと、オープン後にかかるコストをいいます。
前者は設備投資額や物件のイニシャルコストをいい、後者は数か月分の仕入代金や広告費等を指します。
必要な資金は、必ず損益計算書と資金繰り表に基づいた返済計画が現実的になるような金額にする必要があります。
つまり、例えば借入期間が7年以内とあっても20年返済計画となってしまうとNGとなりますのでご注意ください。
事業計画書・損益計算書・資金繰り表は密接に絡んでおり、必ず辻褄があうようにしなければなりません。
必要な資金は。次の点をチェックされます。
■出店予定地周辺の家賃相場を把握していますか?
■出店予定地の家賃・保証金が周辺相場と比べて高くはないですか?
■飲食店の内外装工事の実績がある工事業者を知っていますか?
■2社以上から見積書を取って、工事価格の妥当性や相場観をつかんでいますか?
■出店場所や内外装等のグレードは、調達できる金額(自己資金や借入金等)を算段した上で決めていますか?
■創業時の宣伝広告費、人材募集費等の運転資金や、事業開始後の運転資金(半年程度の赤字補填資金等)の準備は大丈夫ですか?
■居抜き物件の場合、譲渡してもらう造作・設備の価格の内訳および価格の妥当性を確認していますか?
※「創業の手引+」(日本政策金融公庫)より引用
なお、必要となる資金の根拠資料(設備投資が鵜の見積書や物件の賃貸借契約書等)は、必ず必要となりますので、取得しておきましょう。
②調達方法
調達方法は、自己資金か借入れかです。自己資金が多ければ多いほど、事業にとってはプラスとなります。
日本政策金融公庫における新創業融資制度は、自己資金要件として総額の1割としておりますが、現実的に1割で融資がおりる可能性は低いです。
そのため、最低限必要総額の3割ぐらい用意しましょう。
また、自己資金と見せかける、いわゆる「見せ金」と判断されないように注意しましょう。
調達方法でのチェックポイントは下記の通りです。
■自己資金をコツコツと貯めていますか?
■自己資金の蓄積過程は通帳などで確認できますか?
■創業資金を借入する場合、どこに相談に行けばよいか知っていますか?
■借り入れするための条件や借入金額の相場観を知っていますか?
■自己資金が少なく借り入れ依存の計画になっていませんか?
※「創業の手引+」(日本政策金融公庫)より引用
8.おわりに
事業計画書のイメージは持てましたかでしょうか。
最後にポイントをまとめると、下記の通りとなります。
■事業計画書は、創業計画書の①~⑦を詳細かつ具体的な説明をしたものであること
■事業計画書・損益計算書・資金繰り表は密接に絡んでおり、整合性を保ちかつ現実的なものとすること
作成するにあたって、少しでも不安がございましたらご相談ください。